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民法等の一部改正法(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について

ページID:0004087 更新日:2026年3月3日更新 印刷ページ表示

父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。
令和6年5月17日、父母が離婚した後も、こどもの利益を確保することを目的として、民法等の一部を改正する法律が成立しました。
この法律は、父母が親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどを明確化するとともに、
親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものであり、令和8年4月1日に施行されます。
民法等改正法の詳細については、こども家庭庁ポータルサイト<外部リンク>法務省のホームページ<外部リンク>や下記のリーフレット等をご確認ください。

 

親の責務に関するルールの明確化

親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

 

こどもの人格の尊重

こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

 

こどもの扶養

こどもを「養う」責任があります。養う度合いは、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

 

父母間の人格尊重・協力義務

お互いを尊重して協力し合う義務があります。下記のような行為はこのルールに違反する場合があります。

  • 暴力や相手を怖がらせるような言動、濫訴
  • 他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
  • 特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること
  • 特段の理由なく約束した親子の交流の実施を拒むこと

違反した場合は、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮され、違反した者に不利となる可能性があります。 
※暴力等や虐待からの避難など、急迫の事情がある場合は、このルールに違反しません。

 

こどもの利益のための親権行使​

親権(こどもの世話や教育をしたり、こどもの財産を管理したりする権利や義務)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

 

親権に関するルールの見直し​

父母の離婚後の親権者

1人だけが親権を持つ【単独親権】のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の選択ができるようになります。

 

親権者の定め方​

父母が話し合いによって親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人ににするかを決めます。

 

父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合

家庭裁判所が、父母とこどもの関係や、父と母の関係などを考慮した上で、こどもの利益を考えて、親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人にするかを定めます。 
この手続きでは、家庭裁判所は父母それぞれから意見を聴かなければならず、こどもの意思を把握するように努めなければなりません。
また、次のようなケースでは、家庭裁判所は共同親権と定めることはできません。

  • 虐待のおそれがあると判断された場合
  • DVのおそれやその他の事情で、父母が共同して親権を行うことが難しいと判断された場合

※身体的な暴力を伴う虐待・DVだけとは限りません。
※これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権と定めることとされています。

 

親権者の変更

離婚後の親権について、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所がこども自身やその親族の請求により、
親権者の変更(父母の一方から他の一方/一方から双方/双方から一方)をすることができます。
離婚前の父母間に一方からの暴力等があり、対等な立場での取り決めではなかったケースでは、こどもにとって不利益となるおそれがあるため、この手続きで親権者を改めることができます。

 

親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)

父母双方が親権者である場合のルールが明確化されており、父母が共同して行います。

 

単独行使が可能な場合

監護及び教育に関する日常の行為をするとき

食事や服装の決定、短期間での旅行、予防接種や習い事などは、共同親権でも一人で決めることができます。

 

こどもの利益のため急迫の事情があるとき

DVや虐待からの避難をする必要がある場合や、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合、入学試験の結果発表後に入学手続の期限が迫っているような場合であれば、日常の行為にあたらないものでも、父母のどちらも一人で決めることができます。

 

共同行使

こどもの転居、進路に影響する進学先の決定、心身に重大な影響を与える医療行為の決定や財産の管理など、
こどもの将来に大きく関わることは、二人で話し合って決めることが原則です。 なお、父母の意見が対立するときには、
家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。
※父母間の合意がない場合は、裁判所が関与します。

 

​​養育費の支払い確保に向けた変更点

合意の実効性の向上

養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、債務名義(公正証書や調停調書、審判書など)がなくても、
養育費の取り決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続を申し立てることができるようになります。
 ※ 改正法施行後に発生するものが対象です。

 

法定養育費

離婚のときに養育費の取り決めをしていなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、
こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。
養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものであり、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより、
各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取り決めをしていただくことが重要です。
※法定養育費は、父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。

 

裁判手続きの利便性向上

家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができることとしています。
また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、
判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

 

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

こどものことを最優先に、親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

 

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所は、こどもの利益を最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施を促します。

 

婚姻中別居の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどもの利益を最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

 

父母以外の親族とこどもの交流

祖父母など、こどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、こどもの利益のため特に必要があるといった場合、家庭裁判所は、こどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。

 

参考資料

パンフレット(こども家庭庁)「ひとり親家庭のための未来応援ガイド」 [PDFファイル/5.91MB]

Q&A形式の解説資料(民法編) [PDFファイル/1.5MB]

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